ノズル選定のために 【ノズル仕様・必須6項目】
ご希望のノズルを選ぶためには、少なくとも次の6項目の仕様を予め決めておく必要があります。ここでは各項目について、いろいろなノズルメーカーのカタログを見るときに役立つ基本的な知識として解説しています。下記の各項目が理解できれば、試しに各項目ついて任意のノズル選択条件を決めて、それに適合するノズルが見つかるか「無料お試しSGS」で検索してください。
圧力 | 流量
| スプレー角度とスプレー幅 |
スプレーパターン | 材質
| 取付方法
圧力
原則として、ほとんどのノズルメーカーのカタログに表示してある圧力は、ノズルに流体が流入する直近部分での圧力を指しています。例えばノズルと圧力計の間隔が長いとか、ノズルとポンプの間に水頭差(落差)がある場合のポンプ圧力をノズル圧力として採用すると、所定のノズル流量が得られないことがあります。従って、通常‘ノズル圧力’とは、ノズルの取り付け部の圧力のことです。(下図参照)また圧力の単位はMPa,
PSI, BARなどの種類があり、ノズルメーカーのカタログごとにさまざまな単位が使用されています。(SGSの「単位換算表」を使えば容易に単位換算ができます。)
流量
流量はオリフィスから噴射される単位時間当たりの液体の量です。原則として流量は用途、目的などからユーザーが決定しますが、異物が含まれる液体を噴射される場合は、ノズル内部の目詰まりにご注意ください。ほとんどのノズルメーカーのカタログには、オリフィス径や異物通過径が記載されていますのでご参考にされると良いでしょう。基本的に流量はオリフィス径(断面積)と圧力により求められますので、同一流量でも低圧力を選択すれば、より大きいオリフィス径を選択することが可能です。(下記の計算式参照)
●流量の計算式(SGSの「単位換算表」を使えば容易にデジタル計算ができます。)
●上記式より流量は圧力の平方根に比例します。
また水とは異なる粘性や密度の液体の場合は、各ノズルメーカーのカタログに記載されている流量値とは差異が生じる場合がございますのでご注意ください。(SGSの「単位換算表」を使えば容易に流量の密度換算ができます。)
スプレー角度とスプレー幅
スプレー角度は噴射された液体が広がった角度のことで、スプレー幅は噴射された液体がノズル先端から到達した距離での広がり幅を示します。ほとんどのノズルは下方に噴射した場合、ノズル先端からの噴射距離が遠くなるほどスプレーの広がりの先細り現象(ローソクの炎状)があり、噴射直後のスプレー角度より狭くなります。従って、ノズルメーカーのカタログのスプレー角度値からスプレー幅を換算するときは誤差が生じることがあります。もし噴射距離が数メートルにもなるようですと、スプレーの広がりについてはノズルメーカーにご相談する方が良いでしょう。
また一般的に同一ノズルでもスプレー角度は圧力より変化しますが、ほとんどのノズルメーカーのカタログには、各圧力でのスプレー角度が表示されています。ご参考的にフラットタイプとフルコーンタイプの圧力とスプレー角度の関係を下記特性グラフに示します。
スプレーパターン
スプレーパターンとは主に噴射された流体が拡散したときの断面形状で、円形やフラット形など沢山の種類があります。世界の各ノズルメーカーのカタログに記載されているスプレーパターンの名称は統一されていませんが、その種類は概略下表のごとく分類されます。原則としてユーザーがノズルの使用目的によりスプレーパターンの選択をしますが、ノズルメーカーに相談すればより的確なノズル選定ができるでしょう。
世界のノズルのスプレーパターン |
スプレーパターン
断面が点状 |
スプレーパターン
断面が充円形状 |
スプレーパターン
断面が円環形状 |
スプレーパターン
断面が楕円形状 |
スプレーパターン
断面が四角形状 |
スプレーパターン
断面が扁平状 |
横向きに噴射して
スプレーパターン
断面が充円形状 |
横向きに噴射して
スプレーパターン
断面が円環形状 |
横向きに噴射して
スプレーパターン
断面が扁平状 |
横向きに噴射して
スプレーパターン
断面が点状 |
ノズルボディに
複数の直線状
スプレーオリフィス
を備えたノズル |
スリットの
オリフィスから
膜状に噴射 |
ノズルのボディに
複数のコーン状
スプレーオリフィス
を設けたノズル |
2重又は3重の
渦巻状のスプレー
パターン |
|
材質
ノズルの材質は黄銅、ステンレス鋼、プラスチックが一般的に使われていますが、それぞれ用途に応じて、的確な材質選定が必要です。黄銅は手軽な材質ですが、中・高圧力では耐摩耗性が不十分で、また腐食性の薬液を使用する場合には耐食性の問題もあります。ステンレス鋼の材種としてはSUS303が多用されており、比較的耐摩耗性と耐食性に優れていますが、スプレーする液体や周囲の雰囲気により、SUS316やSUS316L等のさらに耐食性に富む材種の規格ノズルもあります。プラスチック製ノズルは型番の種類が比較的少なく、金属製では十分に耐食性が得られない薬液用に使用されます。その他、高圧力用として超硬合金製ノズルや耐摩耗、耐食性に優れたセラミック製ノズルなどもあります。ノズルメーカーのカタログには、ノズル型番とともに材質の種類も記載されています。
取付方法
配管にノズルを取り付ける方法で最も多いのはねじ込み式ですが、大流量のノズルではフランジタイプもあります。原則的にノズルの取り付け方法とそのサイズは、ノズル流量やノズル形状によりノズルメーカーで決められており、カタログにノズル型番とともに掲載されています。海外のノズルメーカー製品をご使用になる場合は、その国の工業規格により、ねじやフランジの詳細寸法が異なりますので十分ご確認ください。 |